ニュージーランド(NZ)のジャシンダ・アーダーン首相は、共感力とコミュニケーション能力に秀でたリーダーだ。それを象徴するのが、危機に直面するたびに国民に呼びかけてきた「Be kind(人に優しくしましょう)」という言葉。22日、朝日新聞のインタビューに応じたアーダーン氏に、その思いを尋ねた。
新型コロナの出現に世界が揺れた2年前、厳しいロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったNZで、不満の声はほとんど出なかった。アーダーン氏は連日の記者会見で感染状況などを説明したあと、必ず「家にいましょう。人に優しく」「安全に過ごしてください。人に優しく」で締めくくった。外出自粛は自分の感染予防だけでなく、他人を感染させないためでもあるというメッセージだった。
3年前にイスラム教礼拝所(モスク)で起きた銃乱射事件は、白人至上主義者がイスラム教徒51人を射殺するという同国史上最悪の銃犯罪だった。国民の4人に1人が外国生まれで、「少数派に寛大な社会」を誇りとしている国民に大きな衝撃を与えたが、アーダーン氏は「気を強く持ち、人に優しく。私たちは大丈夫です」と繰り返した。
今回、改めてその言葉の意図を尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「私の優先順位は、首相にな…
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