海賊版漫画サイト 講談社・集英社など4社、米国IT企業を提訴
漫画の海賊版サイトのデータを配信して出版社の著作権を侵害しているとして講談社、集英社、小学館、KADOKAWAが1日、米国IT企業「クラウドフレア」に計4億6千万円の損害賠償などを求める訴えを東京地裁に起こした。
クラウドフレアは取材に、著作権侵害に直接的に関与していないなどとコメントしている。
訴状などによると、クラウドフレアは元のサイトのサーバーが配信するデータを一時的に複製(キャッシュ)して配信する「コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)」を提供する事業者。同社が最大手の海賊版サイトと契約し、日本にあるサーバーから違法な画像データを配信してきたと出版社側は指摘。昨年度以降、米国著作権法に基づき、同社に海賊版の配信をやめるよう順次通知してきたが、配信が続いているという。損害額について通知から昨年12月末までの配信分で1社あたり1億~39億円と試算し、その一部として1億1500万円ずつの賠償を請求。海賊版配信の差し止めなども求めている。
出版社側はこの海賊版サイトが海外を拠点としており、特定が難しいと判断し、CDN事業者の提訴に踏み切った。出版社側は、海賊版サイトが大量のアクセスに対応して膨大なデータを遅延なく配信するにはクラウドフレアのCDNが不可欠になっていると判断した。メールアドレスの登録など匿名でも契約できることが身元の特定を嫌う海賊版サイトにとって好都合になっている点も問題視した。
クラウドフレアは取材に「著作権侵害に直接的に関与していない。当社が問題の根源ではない」などとコメントした。
この海賊版サイトは月間3億回のアクセスがあり、「進撃の巨人」「ONE PIECE」などの人気作を含む約4千点を配信してきたという。
海賊版サイトは、「漫画村」…
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