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海賊版サイトの漫画を提供、講談社など国内4社が米IT企業を提訴へ

赤田康和
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 漫画の海賊版サイトのデータを配信して出版社の著作権を侵害しているとして講談社集英社小学館、KADOKAWAが米国IT企業「クラウドフレア」に約4億円の損害賠償などを求める訴えを来月初旬にも東京地裁に起こす方針を固めた。関係者への取材でわかった。

 漫画の海賊版対策では、国内最大級とされた「漫画村」の閉鎖後も出版社とサイト運営者の「いたちごっこ」が続く。出版社側は今回、運営者が海外を拠点にしており、特定が難しいと判断。配信に際して運営者が使うサービスの提供者の責任を問うことで、著作権保護をめざす。

 関係者によると、最大手の海賊版サイトがクラウドフレアと契約し、同社の日本国内にあるサーバーから漫画データが配信されている。この海賊版サイトは月間3億回のアクセスがあり、「進撃の巨人」「ONE PIECE」などの人気作を含む約4千点の海賊版を配信しているという。

 クラウドフレアは取材に「著作権侵害に直接的に関与していない。当社が問題の根源ではない」などとコメントした。(赤田康和)

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    曽我部真裕
    (京都大学大学院法学研究科教授)
    2022年1月30日17時13分 投稿
    【解説】

     クラウドフレア社を念頭に置いたCDN対策の問題は、私が座長を仰せつかっている総務省の「インターネット上の海賊版サイトへのアクセス抑止方策に関する検討会」でも検討されています。  先週開催された会合で、ちょうどCDNに関する基礎知識や問題

    …続きを読む