種や苗あげたらだめ?採れすぎた野菜のお裾分けは?法律の線引き探る

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杉浦幹治
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 果物や花の苗をネットなどで無許可で売ったなどとして、警察に摘発される例が相次いでいる。容疑は「種苗法違反」。コロナ禍で家庭菜園を始める人が増え、農林水産省には「できすぎた作物をご近所にあげてもだめなの?」との問い合わせが多く寄せられているという。線引きはどこにあるのか、種苗法についてフカボリした。

 9月28日、群馬県特産のイチゴ「やよいひめ」の苗約6千本を無許可で売ったとして種苗法違反罪に問われた農業関連会社と元役員に、前橋地裁が有罪判決を言い渡した。6月には、無許可で高級ブドウ「シャインマスカット」の苗を販売目的で保管していたとして、警視庁が男を同法違反の疑いで書類送検した。

 種苗法は1998年に施行された。新しい植物の品種を作った人のお金や手間に報いるため、開発した人の育成者権を保護することを目的としている。作曲者や作家などの著作権を守る著作権法と同様の趣旨だ。

 農水省に出願し、登録が認められると樹木は最長で30年、その他は25年間、種や苗、収穫物、一部の加工品を利用する権利を開発者が持つことができる。食べ物以外に花も対象になる。

 開発者以外の人は利用料を払えば、登録された品種を栽培することができる。ホームセンターなどで売られている種や苗の場合、販売価格の1%以下から数%ほどの利用料が含まれる。

 販売する目的で種や苗を増やした人が開発者の許可を受けていなければ、「種苗法違反」ということになる。刑事罰は著作権法と同じく、個人なら10年以下の懲役か1千万円以下の罰金、法人なら3億円以下の罰金が科せられる。

なかなか厳しい条件、線引きを解説

 では、果実から採れた種を人にあげたり、おいしそうな実がなった木の枝を人からもらって挿し木させてもらったりする場合はどうか。

 「登録品種であれば、厳密に…

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