【コメントプラス】理系のアカハラ、小熊英二さん「男性も無関係でない」

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アカハラは社会全体の問題

▽アカハラ「理系のひどさは圧倒的」 上野千鶴子さんが語るリケジョ(5日配信)

https://www.asahi.com/articles/ASP855TKNP82PLBJ009.html

 この記事に、歴史社会学者の小熊英二さんがコメント。「閉鎖的で権力が偏った社会の問題だ。カネや施設など、リソースの配分が閉じたサークルで行われる社会では、必ず排除されて苦しむ人が出る。これは、女性に限ったことではない。問題が女性やマイノリティーに集中的に現れることが多い、ということであって、男性やマジョリティーには無関係というわけではない」とし、「女性が生きやすい社会に変えることは、男性が生きやすい社会に変えることでもある」と強調します。

 男性学研究者の田中俊之さんもコメント。「男女を問わず、その時その場で『イエローカード』を出すようになれば、変化は起きます。女性に対する差別を目にした時、はっきりと問題だと指摘する。こうした行動の積み重ねによって、女性を『軽く見る』のは『当たり前』という『常識』は必ず変わっていくはずです」

自民党総裁選、どう読む?

▽総裁選のカギ握る若手 欲しいのは勝てる顔、受け入れられぬ候補(6日)

https://www.asahi.com/articles/ASP956TBWP95UTFK007.html

 自民党総裁選に向けた動きが活発になっています。この記事には千葉商科大学准教授の常見陽平さんがコメント。「読む、書く、聞く、話す。当たり前のコミュニケーションが大事だと市民が気づき、発信を始めたのが、皮肉なことに安倍・菅政治のレガシーである」と指摘します。

 時事芸人のプチ鹿島さんは「朝刊数紙に『次の首相にふさわしい人』という各世論調査の結果が載っていました。私が不思議なのは、現時点では出馬表明の会見をして政策を公表しているのは岸田文雄氏だけなのになぜこのような調査が成立するのか?という素朴な疑問です。何を判断の基準にするのでしょうか。ひとつ想像できるのは『イメージだけ』です」とし、「菅首相が誕生したときに『たたき上げ』とか『けんかに強い』とか『勝負師』などイメージがたくさん報道された」と1年前に思いを巡らせます。

義足アスリートは五輪に出るべきか

▽「義足は関係ない」走り幅跳び3連覇、独レーム「世界最高」へ1歩(1日)

https://www.asahi.com/articles/ASP9177HTP91UTQP00X.html

 陸上男子走り幅跳びで金メダルを獲得したマルクス・レーム選手(ドイツ)の五輪出場について、朝日新聞スポーツ部次長の後藤太輔記者は「参加できるようにした方がいい」とコメント。「完全な公平とは何でしょうか。経済力や練習環境など考えると、完全な公平など、もともとあり得ないこと。一定のルールを決め、参加者を中心に多くの人が『これなら一緒に競っても勝ったり負けたりするからおもしろいし公平だと思える』状況で競っているのだと思うのです」

 一方で、エンジニアの遠藤謙さんは「エンジニアとして研究者としては義足アスリートはオリンピックに出るべきでないという意見にいます」とコメント。「障害者が頑張っているから出すべきだということを口にする方が多かった2012年当時の世論からはだいぶ前に進んだ議論ができるようになったと感じます。今後、マルクス・レーム選手だけでなく、他の選手たちも8m超えを連発するような世界になったとしたらまた今とは違う議論が生まれるとも思います」と指摘します。

※コメントプラスは、ダイバーシティー、SDGs、働き方、教育・子育て、国際のジャンルに詳しい専門家と朝日新聞記者の計57人で6月にスタートしました。9月から政治、スポーツ、デジタルの分野に拡大し、コメンテーターは総勢100人になりました。有料会員登録していただくとすべてのコメントを読むことができるようになります。登録はこちら(https://digital.asahi.com/info/price別ウインドウで開きます

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