風力活用、電力自給率360%の町 でも進まぬ地産地消

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川田俊男 杉浦奈実 編集委員・石井徹
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 2050年の温室効果ガス排出の実質ゼロを宣言した市区町村でも、再生可能エネルギーの導入目標を持つのは3割にとどまった。実際に再エネ施設の導入が進む現場では、経験不足やトラブルなど地域の様々な事情を抱えて、自治体が対応を迫られている。

風力発電ありながら停電

 遠くの山の頂に、ずらりと並んだ風車が勢いよく回る。岩手県葛巻町で昨年12月、Jパワー(東京)の子会社が運営する「くずまき第二風力発電所」の22基が運転を始めた。高原全体で34基、出力は6万5600キロワットで一般家庭約5万世帯分の電気になる。

 酪農と林業を主な産業とする葛巻町は1999年に第三セクターで風力発電を始め、視察で訪れる人が殺到した。風況がよく、地元が積極的だったため、Jパワーも進出を決めた。

 再エネは町内で使う量の3倍…

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