ちょっと田舎の筑前町3万人突破 秘密は「とかいなか」

岩田誠司
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 福岡県筑前町の人口が3万人に達し、1日、関係者が祝った。大都市に隣接するベッドタウンほどに便利ではないが、ほどよい規模と都心への距離感で住みやすさを生み出す「とかいなか」をキーワードにじわりと伸びてきた。

 筑前町の人口は1月末時点で3万3人に達した。1日は、大分県中津市から一家3人で筑前町に引っ越したという吉田祐紀さん(30)が長女紬希(つむぎ)ちゃん(1)と町役場を訪れ転入届を提出。田頭喜久己町長らとくす玉を割って祝った。

 2005年3月に旧夜須町と旧三輪町が合併して誕生。米と麦、大豆を中心とした農業が盛んで、当時は2万9342人だった。

 周辺自治体のうち、福岡市中心部と鉄道で結ばれ、宅地開発も進んで人口を維持してきた小郡市などと比較すると、筑前町は高速道もなく、鉄道は周縁部をかすめて通るだけ。大規模な宅地開発もしていない。

 それでも、上下水道や光ファイバー網などのインフラ整備を進めたほか、保育園の新規開設や英検受検料の全額補助といった子育て支援施策に力を入れた。

 決して都会に近くはないが、都市高速経由の路線バスで福岡市中心部へ1時間ほどという距離感を含め、ほどよい田舎であるとして「とかいなか」とアピールしてきた。田頭町長は「67平方キロメートルに3万人というのは非常にコンパクト。いたずらに4万、5万をめざすのではなく、3万人規模を維持していくことで理想的な町ができる」と話した。(岩田誠司)

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