都心の老舗スケート場が閉館 滑る場なく「生態系が…」

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浅野有美 渡辺芳枝
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 東京都心で多くのスケーターを支えたスポーツ施設「シチズンプラザ」(新宿区)が1月31日で閉館した。施設内の通年のスケートリンクは、羽生結弦(ANA)が帰国時に滑るなど46年近く、トップ選手や市民に愛された。最終日の31日は、利用者らが訪れ、最後の滑りをかみしめた。

 早稲田大学スケート部4年の東真子さんはこの日、滑り納めをした。「スタッフが迎えてくれ、終わってしまうんだなと信じられない気持ちでした」。5歳から同所に通い、全日本選手権にも出場した鎌田英嗣さん(23)は「寂しい。実感がありません」と閉鎖を惜しむ。昨年現役を引退して会社員になったが、休日はよく滑りに来ていた。「シチズンはスケートが上手な人も趣味の人も誰が行っても楽しめるリンク。スタッフもインストラクターも利用者も、みんなが僕のスケートを楽しみにして応援してくれる、あたたかいリンクでした。とても感謝しています」

 同所は1972年にボウリング場として開業し、75年にリンクができた。シチズン時計が100%出資して運営してきたが、建物の老朽化と経営難を理由に閉鎖が決まった。一般開放での利用客の他に、クラブ生、大学の部活生、一般の教室受講生ら約1千人がホームリンクとして利用していた。東京23区内の通年リンクは、明治神宮外苑アイススケート場(新宿区)だけになった。

 昨年2月にシチズンプラザ閉館が発表されると、都心のリンク存続を願う署名は約7千筆も集まった。土地を所有する三井不動産は、昨年12月に千葉県船橋市に新たなリンクをオープン。しかし登校前や下校後に県境をまたいで通うのが困難で移籍できず、競技をやめた子どももいるという。

 競技人気が高い一方で、維持…

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