薬物常用者は「目つき肌つや違う」 職質のプロが技伝授

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板倉大地 緒方健二
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 違法薬物から若者を守りたい――。福岡県内をはじめ全国で大麻所持事件が増えるなか、県警は摘発の端緒をつかむのに欠かせない職務質問に力を入れている。その「職質のプロ」である行橋署地域課長の山田敬三警部(59)は定年退職を来春に控え、後継者の育成に努めている。

 「ほら、今なにか落とした」。10月下旬、行橋署の駐車場に山田さんの声が響いた。署員に話を聴かれていた男性のポケットから、白い粉入りのポリ袋が落ちた。「証拠隠滅のために捨てることがある。見逃さないように」と山田警部が諭した。職務質問訓練での一幕だ。

 鑑識や通信指令など様々な警察活動に精通し、実績を重ねた警察官や職員は、県警本部長から「技能指導官」に指定される。熟練の技を若手に伝える使命を担う。山田さんは、犯罪を防ぎ、事件の早期解決のために不審者らから事情を聴く職務質問の分野で2016年、指導官に選ばれた。県警にいま指導官は山田さんを含め25人いる。

 北九州小倉南区出身の山田さんは大学を卒業後、食品会社に3年間勤めた後の1986年、警察官になった。職務質問は機動警察隊などで30年以上にわたり経験した。

 「若いときは先輩に言われるがままに職質をしていました」と笑う山田さんだが、先輩に話を聴くよう指示された通行人に声をかけると、不思議と大麻を所持していた。何度も声かけを重ねるうち、大麻や覚醒剤の使用常習者の傾向がわかってきたという。

 「目つきや肌のつや感が違っ…

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