性暴力から子どもの居場所を守りたい 苦しむ女性の願い

有料記事

山田佳奈 太田泉生
[PR]

 大阪府の30代女性が、性暴力の後遺症に長く苦しめられている。不登校だった10代の時、唯一のよりどころのフリースクールで被害を受けた。重いPTSDのために今も自室にこもり、こみ上げる無力感にとらわれながらも、「子どもの居場所を安全にしたい」と願っている。

 女性は小学5年生の時、いじめをきっかけに不登校になり、フリースクールに在籍した。その後、フリースクールが募集した、3カ月を1期間とする宿泊型フリースクールに参加した。施設は長野の山中にあった。そこで子どもたちと日常生活をともにしていた男性の成人スタッフから繰り返し性暴力を受けた。

 周囲の仲間や家族には打ち明けられなかった。ようやく見つけた居場所を失うのが怖かった。自宅に戻ってからも、被害のことは心の奥に押し込めた。「私は大丈夫」。無意識に自分に言い聞かせ、心の平穏を保とうとした。高校卒業程度認定試験に合格。アルバイトをして、少しずつ自活の道を歩んだ。

 10年以上がたち、女性は知人男性から性暴力を受けた。以降、気力が湧かず、表情も消え、話すこともほとんどできなくなった。

 異変に気付いた母親が、性暴力被害を相談するワンストップセンターを教えてくれた。女性はセンターで紹介された病院を受診。複雑性のPTSDと診断された。フリースクールでの性暴力が、発症の要因といわれた。男性の行為がフリースクールのスタッフに重なり、思い起こされたためとのことだった。

女性が籍を置いていたのは草分け的存在のフリースクールでした。記事後半では、裁判記録からフリースクールがどう対応したのかも取材しています。

 センターでは「訴えることも…

この記事は有料記事です。残り1775文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら