工藤会事務所、北九州市が買い取り検討 民間へ転売方針

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井石栄司 緒方健二
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 指定暴力団工藤会の本部事務所(北九州小倉北区)をめぐり、北九州市が早期撤去のため、いったん買い取ったうえで民間に転売する方向で検討していることが、関係者への取材でわかった。

 市と工藤会側との交渉は1億円程度を上限に進められるとみられる。売却金は被害者への賠償に充てられる見通し。

 本部事務所は1971年建設で、土地面積は1752平方メートル。土地と建物は、工藤会トップの野村悟被告(72)=殺人罪などで起訴=が代表取締役を務める会社が所有している。

 福岡県警が工藤会の壊滅をねらい、最高幹部らを逮捕した「頂上作戦」が始まった2014年以降、事務所は暴力団対策法に基づく使用制限がかかり、使われていない。工藤会側は固定資産税を滞納し、市は昨年12月、滞納を理由に事務所を差し押さえた。

 市側が鑑定した土地評価額は1億3千万円あまり。市が不動産業者などに調査し、最高1億円で買う意思を示した企業があったという。市はこの金額で売却を打診したが、工藤会側と折り合えなかった。

 工藤会側は独自に売却先を探していたものの、いったん応じた企業が取りやめるなどしていたことから、市との交渉のテーブルに戻っていた。市が間に入って民間の売却先を再び探したが、この作業も難航。早期に撤去するため、市がいったん直接買い取って転売する方向にかじを切った。

 市は買い取る金額の上限は1億円程度として、今後の交渉に臨む方針。

 工藤会側との交渉がまとまれ…

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