インフルエンサーに密着 「なかなかハードな撮影」投稿

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鈴木洋和 高岡佐也子
【動画】インスタグラムなどのSNSで情報発信するインフルエンサー
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 インスタグラムツイッターでの発信が影響力をもつインフルエンサー。今や企業広報の一翼を担う人もいて、あこがれる若い世代も多い。ひとりのインフルエンサーに密着してみた。

 水の入ったペットボトルを持って体を動かしたり、ねじったり。東京都内のマンションの一室で、モデルの松永あやめさん(29)=東京都世田谷区=のトレーニングを数人が見守り、動画などを撮影する。

 松永さんは、2015年のミス・ユニバース神奈川県代表。その年から、仕事の様子や食事などの写真をインスタグラムに投稿し始めた。日常生活の一コマを写真や動画で投稿、共有するアプリだ。インスタでは、興味のある人をフォローすると、その人の投稿が自分が見るページに出てくる。松永さんのページのフォロワーは約8700人いる。

 撮影が済むと、松永さんは自身のアカウントに投稿。「○○さん(スポーツジムの企業名)でのトレーニング撮影」「なかなかハードな撮影でしたがとても楽しかったです」などとコメントを付けた。

 松永さんを撮影したのは、SNS上でPRしたい企業にインフルエンサーを仲介するリム・ジャパン(東京)のスタッフらだ。今回、請け負ったのはスポーツジムのPR。リム社CTO(最高技術責任者)の竹花貴騎(たかき)さん(25)は「松永さんのフォロワーには、体や健康に興味がある人が多い。ジムのターゲットと重なる」。

 松永さんのインスタでジムをさりげなくPRしてもらい、入会者増につなげたい狙いだ。リム社は1投稿、1フォロワーあたり1円~3・2円をインフルエンサーに払っているという。

 インスタを始めた当時、仕事につながるとは思わなかったという松永さん。一昨年1月、知り合いを通じて「スポーツメーカーの商品を身につけ、インスタに投稿して欲しい」と依頼を受けた。報酬はメーカーの商品で、「お得感がある」と感じたという。

 以来、投稿数を増やすなどしてフォロワーを増やし、化粧品などのPRの依頼も受けるように。「SNSを見て物を買う人が多いんだなと思った。本当に良いと思うものを発信し、さらにフォロワーを増やしたい」。こうした発信での年収は70万~80万円程度という。

 一昨年9月に設立されたファインド・モデル(東京)もインフルエンサーと企業をつなぐ。インフルエンサーの9割は女性で、ファッションや化粧品、エステの分野の発信が多いという。CEO(最高経営責任者)の福田航太さん(33)は「インスタに接する人や時間は拡大し、広告費はテレビなど既存メディアよりかなり安い。まだまだパイは広がる」とみる。

 こうしたインフルエンサーにあこがれる人も多い。スタイリストを目指す伊東梨花さん(23)=東京都新宿区=は、昨秋にインスタを始めたばかり。学校給食を作る栄養士として働いていたが退職し、服のコーディネートについて学びながら写真の投稿を始めた。「インスタ上で自分の生き方に共感してもらい、インフルエンサーになって仕事につなげたい」と話す。

■PRとの線引きあいまい、「…

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