「とにかく日陰をつくる」万博が迎える「勝負の夏」、専門家の指摘は

松尾葉奈
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 10月まで開催される大阪・関西万博。円滑な運営に向けた課題のひとつが、酷暑が予想される「勝負の夏」をどう乗り切るかだ。必要な対策を専門家に聞いた。

 熱中症予防に詳しい中京大の松本孝朗教授(環境生理学)は万博会場での対策として、「日陰をつくることが一番だ」と強調する。「入り口ゲートやパビリオン前に列ができて、来場者が日の当たる場所に長時間じっと立つことが一番危ない。大屋根リングの下に収容できる人数も限られるので、とにかくテントなどをはって日陰をつくる工夫をするべきだ」と話す。

 万博のような屋外での大型イベントは混雑しがちだが、「人が密集して風が吹いても当たらない。無風状態になって温度も上がり、余計暑くなる」。熱中症のリスクも上がるという。

 日本国際博覧会協会はドライミストを出す機械も設置しているが、松本教授は「水の粒が細かいミストでは、皮膚から蒸発する水分が少なく、体が冷えるほどではない」と指摘する。

 来場者ができる熱中症対策として、「冷たいペットボトルを最低1本は必ず持っていくべきだ」と述べ、水分と塩分のこまめな補給をすすめる。「朝は元気だったのに、暑いなか会場を歩いて回って、頭痛や吐き気、めまいを感じたら、熱中症だと思ってほしい」と注意を促す。

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この記事を書いた人
松尾葉奈
ネットワーク報道本部|大阪・北摂エリア担当
専門・関心分野
地方の若者、ジェンダー、災害、平和構築