北海道警ヤジ排除、道への賠償命令確定 原告1人の敗訴も確定

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 2019年7月の参院選で安倍晋三首相(当時)の演説中にヤジを飛ばし、北海道警の警察官らに排除された2人が、道に計660万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(深山卓也裁判長)は、道と、二審で逆転敗訴した原告の男性双方の上告を退けた。19日付の決定。もう1人の原告の女性の排除を憲法が保障する「表現の自由」の侵害と認め、道に55万円の賠償を命じた二審・札幌高裁判決が確定した。

 22年3月の一審・札幌地裁判決は、2人の当時の行動は、いずれも警察官職務執行法(警職法)に基づいて関係者を避難させたり制止したりできるものではなく、道警の行為は表現の自由の侵害にあたると認定。道に計88万円の賠償を命じた。

 昨年6月の高裁判決は、女性については一審と同様、表現の自由の侵害を認めて排除は違法とした。男性については、大声の連呼に立腹した聴衆とトラブルになる具体的な危険性があったと指摘。男性が警察官の警告を無視して連呼したこともあわせ、警察官の行為は警職法に基づき適法だと判断した。

 道と男性の双方が上告したが…

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