フジロックで「ザ・キラーズ」と突然共演 話題のファン「ワタル」とは

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野城千穂

 新潟県湯沢町の苗場スキー場で開かれている野外音楽イベント「フジロックフェスティバル」。初日の26日に、最大のステージ「グリーンステージ」のトリを飾った米人気ロックバンドのThe Killersのステージで、心温まるサプライズがあった。ボーカルが、会場最前列にいた「ワタル」と名乗る若い観客を突然舞台に招き、「ワタル」がドラムを1曲丸ごと演奏。メンバーらと共演した。このステージの模様は動画配信サービスで生配信。会場やSNSで「ワタルは一体何者?」と大きな話題になった。翌日、本人に話を聴いた。

 ザ・キラーズは今回久しぶりに来日。ライブは午後9時半すぎにスタートし、ヒット曲続きのセットリストに観客は熱狂していた。

 そんななか、ボーカルのブランドン・フラワーズさんが、1人の若い観客をステージに突然招いた。

 会場から驚きの声が上がるなか、最前列で「CAN I DRUM!?」と書かれたプラカードを手にしていた「ワタル」はステージにかけあがり、真剣な面持ちでドラムの前に。そして、人気曲「For Reasons Unknown」の共演が始まった。

 メンバーらと息を合わせ熱っぽい演奏を繰り広げると、観客は予想外の展開に歓声を上げ、大盛り上がりだった。

 「ワタル」の正体は、東京都を中心に活動するロックバンド、Nape(ネイプ)のドラマーWataruさん(24)だった。中学からの同級生でギターを担当するIsseiさんらと活動しており、今年5月にファーストシングルを出したばかりだ。

 Wataruさんは2016年ごろ、ユーチューブで見た動画をきっかけにザ・キラーズのファンになったという。ライブで「For Reasons Unknown」で観客をステージに上げて共演することも、ファンがアップした動画などを見て知っていた。

 来日公演があれば、もしかして自分にもチャンスが訪れるかも――。数年前から漠然と思い描いていたその日は、ザ・キラーズのフジロック出演が決まり、一気に現実味を帯びることになった。

 この1曲を集中して練習し…

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この記事を書いた人
野城千穂
文化部|音楽担当
専門・関心分野
音楽、舞踊