8月15日の終戦記念日が近づくと、過去の戦争について知る機会が増えます。子どもがショッキングな映像や写真を見て、つらい気持ちになることも。大人はどう関わり、戦争や平和について何をどのように伝えたらよいのでしょうか。みなさんと考えます。
まるで自分が同じ痛みを体験したよう
「『怖い』という気持ちを笑わないで」。千葉県の福嶋尚子さん(42)は、そう話す。
小学校低学年くらいの頃、学校でアニメ映画「はだしのゲン」を見た。原爆が落とされ、風船を持った女の子の全身が一瞬で溶けるように焼けるシーンに、まるで自分が同じ痛みを体験したかのように傷ついた感覚になった。
それ以来、風船を見るたび、そのシーンが頭をよぎった。広島の親戚の家に行ったときは、多くの乗客が被爆し亡くなった路面電車を見るたびに恐怖がよみがえった。
学校や地域で再び「はだしのゲン」の上映会があったときは、「もう戦争の怖さも戦争をしてはいけないことも十分わかったから、見せないで」と懇願した。幸い無理に見せられることはなかったが、友達に「もう見たくない」と言うと「なんで? びびってるの?」と笑われた。
原爆ドームもずっと避けてきた
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