古書店に眠る琉球王国の文書 修理終え特別公開へ 天理大付属図書館

上田真美
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 天理大付属天理図書館(奈良県天理市杣之内町)の所蔵する琉球王国の資料「琉球古文書」の修理が終わり、16~20日に特別公開される。

 古文書は琉球王国の行政文書など19世紀の資料を中心に、冊子や紙片も含めて計約350点から成る。1961年に同館が古書店から購入した。同館によると、琉球王国の資料は戦災などにより残存数が少なく貴重という。

 2019年に那覇市から閲覧の問い合わせが来たが、紙の劣化が激しく、触れるのも難しい状態だった。同館は朝日新聞文化財団の文化財保護助成を受け、23年度に全面的な修理を実施。完了を記念して、文書の中から5件を展示する。

 18世紀ごろとみられる官製の漆器の仕様書には、中央卓や食籠(じきろう)の図に「青貝」や「山水」など、材質や図案を示す文字が記されている。19年に焼失した首里城(那覇市)の復元にあたり、この資料が役立つ可能性があるという。

 このほか、伝統芸能「組踊(くみおどり)」の台本や薩摩藩との書簡などを展示。また、琉球に関する江戸時代の地図や書物もあわせて紹介する。

 会場は同館2階展示室で、午前9時半~午後3時半。入場無料。問い合わせは同館(0743・63・9200)へ。(上田真美)

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