徳島市の内藤市長、再選立候補を断念 就任時「全国最年少女性市長」

東孝司
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 4年前に全国最年少女性市長として就任した内藤佐和子・徳島市長(39)が、任期満了に伴う市長選(31日告示、4月7日投開票)に立候補しないことがわかった。昨年9月、自身のX(旧ツイッター)のアカウントで再選を目指す意向を表明していたが、3月12日夕に支援者に立候補の断念を伝えた。

 内藤氏は13日朝、Xに投稿し、「今まで続けてきた150%の市長としての職務、公務を全うしながら、厳しい選挙戦を150%の力で戦い抜く体力はないと判断しました」と立候補を断念すると表明した。「(今回の市長選では)批判の応酬、批判合戦ばかりで、本来の市政の課題をとらえた本質的な議論がなされていない」とも書き込んだ。

 内藤氏は同市出身。東大在学中に難病の「多発性硬化症」を発症した。まちづくり団体代表を経て、2020年4月の市長選で、再選を目指した現職(当時)の遠藤彰良氏(68)を約2千票差で破り、初当選した。

 36歳になって9日目での当選は女性市長では史上最年少で、2012年に初当選した大津市の越直美氏の36歳6カ月を更新し、話題になった。就任翌年、内閣府男女共同参画会議のメンバーに選ばれ、在日米国大使館などからは「勇気ある女性賞」を贈られた。

 一方で、保育施設の整備事業を「財政負担が大きく、供給過剰の恐れがある」として中止したことには「独善的」といった批判が起こり、1期目の折り返し点を前に、市民団体がリコール解職請求)の署名運動を展開。市議会は「市長派」「反市長派」に分かれ、市政運営に苦慮する場面が少なくなかった。

 3月9日に徳島青年会議所が主催した立候補予定者の公開討論会は、体調不良を理由に欠席した。ただ、同11日の市議会では与党市議の質問に答える形で「やりのこしたことがあり、まだ道半ば」と再選への意欲を語り、突然の立候補の断念に驚きが広がっている。

 市長選には前職で四国放送アナウンサーの経歴もある遠藤氏と、新顔で前自民党衆院議員の福山守氏(71)が立候補表明している。

 内藤氏の全国最年少女性市長の記録は昨年11月、京都府八幡市長に33歳の川田翔子氏が就任したことで、塗り替えられた。(東孝司)

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    西岡研介
    (ノンフィクションライター)
    2024年3月13日11時26分 投稿
    【視点】

    〈内藤氏の全国最年少女性市長の記録は昨年11月、京都府八幡市長に33歳の川田翔子氏が就任したことで、塗り替えられた〉って、スポーツの記録みたいに言われても……。記事に悪意はないのだろうが、この記述にニュース価値があるとすれば、だ。裏返せば、

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