インド人学生、米国留学が急増 中国人超えも視界 ITや医学が人気

ニューデリー=石原孝
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 米国の大学や大学院で、インドからの留学生が急増している。卒業後に高収入が期待できるITや医学の道に進む若者が多く、2022年度は00年度の5倍になった。昨年の国連統計で世界一の人口大国になったとされるインドは、人材でも国際的な存在感を増している。

 米国際教育研究所によると、米国への留学生は22年度に約105万人おり、そのうちインド人学生は全体の約4分の1を占める26万8923人だった。前年比では35%も増え、過去最多の人数になった。

 最も多いのは中国人学生(28万9526人)だが、コロナ禍や米国と中国の覇権争いもあり、この数年は鈍化傾向にある。「近い将来、インド人学生が中国の学生数を抜く可能性は大きい」とも指摘されている。

 特に大きく増えているのが、大学院への留学生だ。学部への留学と比べて学費が安く済み、奨学金でまかなえる場合も多い。現地での就職にも有利だという。

 米国の大手企業でインド出身の経営者が相次いで誕生し、目指すべき「モデル」になっていることも影響しているようだ。グーグルマイクロソフト、IBMの最高経営責任者(CEO)は、インドの大学を卒業後に米国に渡っている。

 駐インドのガルセッティ米大使は「留学を決断し、米国を選んだことは、インドの学生とその家族による貴重な投資だ。学生たちは米印両国をより親密にし、明るい未来へと導いている」と歓迎する。(ニューデリー=石原孝

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