20年過ぎてから、漫才が「わかってきた」 ナイツ塙×中川家礼二

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構成・井上秀樹

 正月といえば、漫才は欠かせない。かといって、演じ手は笑えない、いや笑うしかない苦労も多い。漫才協会の会長に昨年就任したナイツの塙宣之と、M―1グランプリ初代王者である中川家の礼二。東西漫才界のエースの新春放談をどうぞ。

●わかる節目がある

 ――互いをどう見ていましたか。

 塙 僕はデビュー前から知ってたんです。2000年ぐらいに、アルバイト先の友達がお笑い好きで、「中川家と友近さんがこれから絶対来る」みたいなこと言ってて。ぼくも中川家さんはもちろん知ってはいたんですけど、今みたいにネットとかないから。オンバト(NHK「爆笑オンエアバトル」)かなにかで初めて見た時に、はち切れるぐらい笑って。そのまんまふたりはM―1も優勝した。いまこうやって同じ土俵に上ってますけど、序ノ口の力士が横綱を見てる感じの眺めでしたよ。自分がM―1の決勝に行くなんて2001年の頃は想像すらできなかったんで。ある意味、雲の上の人でした。

 礼二 初めて会ったときのことは覚えてないですよね、ナイツと。

 塙 覚えてないですね。

 礼二 でもなんか「前から知ってんのや」って感覚でいましたけどね、不思議と。

 塙 そうすね。

 礼二 ほんまに、ザ・漫才師みたいな漫才やなと。個人的にはむちゃくちゃ好きなんですよ。ようここまでしゃべれんな、また淡々と。ほかにも時事ネタの人はいっぱいいてますけど、爆笑(問題)さんとはまた違う感じの、ロートーンというか、すごい印象的でしたよね。ナイツがほんますごいのは、寄席で15分、20分もやれるし、テレビ尺の3、4分でもまとめるし。どう切り取ってもいいように作ってんのかなあ。

 塙 あー。

 礼二 どの時間でも、ナイツらしさを出せるんちゃうかなっていう感じで、見てますけど。

 塙 漫才サミット(サンドウィッチマンを加えた3組のお笑いライブ)で勉強して、特に昨年の独演会から、思いっ切りスタイル変えたんです。

 礼二 変えたの。

 塙 いままでは、作品みたい…

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