ゼロゼロ融資「財務チェック甘い」 59件は状況十分に確認できず

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座小田英史 花野雄太
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 政府系金融機関のゼロゼロ融資をめぐり、多額の焦げ付きが明らかになった。コロナ対策として多くの事業者が救済された一方で、融資先の財務状況のチェックはおろそかになり、「不良債権」が膨らんだ面もある。

 会計検査院によると、日本政策金融公庫が貸し付けて返済不能や回収困難になった債権のうち353件(約36億円)を調べたところ、59件(約5億円)で貸付先の最新の決算書がないなど、状況が十分に確認できなかった。2千万円を貸し、半年で倒産した事業者について、日本公庫が審査時の1年以上前の決算書しか持っていない事例もあった。

 「融資の審査はともかく、その後の確認が甘い」。東京都文京区の会計事務所を経営する60代男性はこう話す。

 男性は2020年6月に日本…

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