東京・表参道付近に9月、「匿名宝飾店」なる期間限定の店舗が出現した。ブランド名を伏せ、ジュエリーを試着できる体験型の店舗を展開。期間中の同20日、正体は日本の宝飾ブランド「4℃(ヨンドシー)」だと明かした。4℃と言えば「プレゼントに贈るのはありかなしか」など、たびたびネット上で話題になるブランドだ。そうした状況を気にしての企画なのか? 大胆な試みについて、4℃を展開するエフ・ディ・シィ・プロダクツの瀧口昭弘社長に聞いた。
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――今回、あえて匿名でお店を出すという試みをしたのはなぜでしょうか。
「逆に質問ですが、4℃がSNS上の一部でどのように思われているか、見ましたか?」
――数年前、SNS上で「4℃の商品をプレゼントにもらったんだけど……」と不満げな投稿が話題になりました。以来、クリスマスシーズンになると「4℃論争」などと話題に上がることもあります。
「そうした『論争』が、今回の取り組みをしようと思った最大の原因ではないのです。スマートフォンの普及とともに、SNSを含めたメディアでブランドについての意見が可視化され、イメージが固定化しやすくなった。1972年に生まれた4℃が50年の時を超え、いま一度、消費者にブランド名ではなく、商品の質や物作りを評価してもらえるか。ファッションの中心地・表参道で、実際に体験してもらい、真の評価を受けるための試みです」
――4℃は、どんなイメージが固定化していると感じますか。
「SNS上の各種調査をした…