第2回水路のメダカ、遺伝子型でわかった「国内外来」 山脈越えなぜ移動?

 岡山市内の住宅地を縫うように流れる水路には、ヤゴやヌマエビ、メダカなどがすんでいる。玉網を手にした子どもたちがコンクリートで固められた水路で、魚取りを楽しむ姿がよくみられる。

 その水路でメダカを数匹、網で採取し、遺伝子分析を依頼すると、予想もしない結果が待っていた。

連載 ステルス外来種

淡水魚の種類が豊富な岡山平野。その水辺の「外来種」は名が知れた生き物だけではなく、人知れず息づく種も。現状と課題を追いました。

 全国に分布するメダカ。研究の結果、2011年に「キタノメダカ」と「ミナミメダカ」に分類された。

 さらに地域によって遺伝子のタイプが異なり、東日本、北部九州、山陰型などに細かく分類できることがわかってきた。

 岡山県内には、もともと瀬戸内型(B―Ⅶ)のメダカが生息することがわかっている。

 今回採取したメダカも瀬戸内型だろうか。

 ひれの一部を切り取って、専門機関に遺伝子分析を依頼した。

 20日間ほどで届いた結果を見て、驚いた。

 判明した遺伝子は東日本型の「B―Ⅱ」タイプだ。直線距離で約270キロも離れた愛知県などで記録があるメダカだった。岡山に元々いた在来種ではなく、「国内由来の外来種」だ。

なぜ愛知から? 「山脈のバリアー」あるのに

 分析の信頼性を確認するため…

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