銃撃の中、高齢女性をかばい続けた イスラエルで犠牲のフィリピン人

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 パレスチナ自治区ガザに近いイスラエル南部で、介護の仕事をしていたフィリピン人女性(33)が殺害された。イスラム組織ハマスの武装勢力が建物に押し入ってきたとき、介護を担当していた高齢女性の元を離れず、最期までかばい続けたという。

 フィリピン北部パンガシナン州出身のアンジェリン・アギーレさん(33)。フィリピンメディアなどによると、6年前からイスラエルで働き始め、武装勢力の襲撃を受けた時はガザ地区から約7キロのキブツ(農業共同体)で介護の仕事をしていた。

 ニラという名の高齢女性の介護に当たっていた7日、ハマスの戦闘員がドアをこじ開け、アンジェリンさんらがいた建物内に押し入ってきたという。

 銃撃が始まっても、アンジェリンさんはその場から退避せず、体の不自由なニラさんに寄り添い続けた。しかし2人とも、銃撃を受けて亡くなった。

 「心が痛く、耐えられない」。母アーリンダさんはメディアのインタビューに悲痛な思いを明かした。「最愛の娘を失った苦しみがどれほど大きいか、言葉では説明できない」

 被害に遭う前日の6日に電話で話したのが最後の会話になったという。「今の唯一の願いは遺体を迎え、埋葬してあげること」だとも話した。

姉やエルサレム副市長も思いを投稿

 アンジェリンさんは1年前に…

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