第9回ごみ処理場が足りない! 28年前、川崎市を救った白い貨物列車

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嶋田達也

 夕焼けのタワーマンション群を背に、長く連なった貨物列車がゆっくりと進む。

 19両編成。白いコンテナの中身はすべて「ごみ」だ。

 川崎市では1995年から、家庭のごみを専用列車「クリーンかわさき号」で運んでいる。

 同市では人口の増加にごみ処理場の能力が追いつかなくなった90年、「ごみ非常事態」を宣言した。

 特にベッドタウンとして開発が進んだ北部では処理場が古く、焼却能力が低かった。住宅地のため新たな処理場の建設も難しく、比較的余力があった南部の処理場まで運ぶ必要があった。

ごみの輸送にトラックではなく貨物列車を選択した川崎市。そこには同市特有の理由がありました。記事の後半では、廃棄物やリサイクル資源の輸送、いわゆる「静脈物流」をさぐります。

 南北に長い川崎市。ごみ収集…

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