金正恩氏、堤防決壊で「怠け者」と異例の叱責 食料増産進まず焦りか

ソウル=太田成美

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記は21日、西部・南浦市の干拓地の堤防が決壊した現場を視察し、「怠け者たちの無責任性と無規律による人災だ」などと金徳訓(キムドクフン)首相ら幹部を激しく叱責(しっせき)した。朝鮮中央通信が22日報じた。

 金正恩氏は被害の復旧作業が続く現場を訪れ、「内閣と省、中央機関の責任幹部らは現場に顔も出していない」「内閣の行政・経済規律が甚だしく乱れ、怠け者らが無責任な働きぶりで国家経済事業を全て駄目にしている」などと強く非難。朝鮮労働党組織指導部などに、責任の所在を明らかにして厳格に処罰するよう異例の命令を発した。

 干拓地の開発は稲作の収穫高を増すための主力事業の一つで、専門家からは「金正恩氏が農業、食料問題をどれほど重視しているかを生々しく示す事例だ」と指摘している。「国家経済発展5カ年計画」が軌道に乗っていないことが背景にあるとの見方もある。(ソウル=太田成美)…

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません