大阪・関西万博の「テーマ館」、全て建設業者が決定 3回目の入札で

松岡大将
[PR]

 日本国際博覧会協会は9日、2025年の大阪・関西万博で放送作家小山薫堂氏が手がけるパビリオン(展示館)の建設工事について、12・6億円で落札されたと発表した。これまで2回の入札が不調に終わり、3回目だった。これで、入札が難航していた「テーマ館」の全てで建設業者が決まった。

 落札したのは、ゼネコン大手の大成建設隈研吾建築都市設計事務所が組んだ団体。他に応札者はなく、この団体が落札した。予定価格を9・8億円としていた昨年の初回入札、予定価格を約1・3倍の12・6億円に引き上げて要件も緩和した2回目の入札でも応札者がいなかった。3回目の入札では、デザインの簡素化でコストダウンを図るなどしていた。協会の担当者は工期への懸念について「業者が決まったということは、お金と工期で業者と合意が出来たということ。工期的なところはストライクゾーンに入ったと理解している」と語った。

 テーマ館は、映画監督の河瀬直美氏やメディアアーティストの落合陽一氏ら、8人の著名人がプロデュースし、万博のメーンテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に沿った展示をする中心的な施設となる。

 しかし協賛で業者が決まった2館を除き、6館は入札の不成立が続いた。計63・5億円だった当初の予定価格は、落札時には79・6億円に膨らんだ。費用は国・大阪府市・経済界が負担する会場建設費などで賄う。だが、拠出額の上限は決まっており、協会は上振れへの影響を否定した。プロデューサーが協賛企業から資金を募るなどして集めるという。(松岡大将)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません