マイナンバー総点検、1件で10円の追加費用 どこ負担?国は示さず

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柴田秀並 鈴木友里子
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 マイナンバーに関するトラブルの総点検をめぐり、政府は、健康保険組合などに生ずる追加費用を誰が負担するかを明らかにしていない。マイナンバーにひもづけたデータが正しいか確認するために必要なシステムへの情報照会には1件10円がかかる。少額とはいえ、組合によっては多量の件数にのぼる可能性があり、現場からは困惑の声があがっている。

 総点検は6月、岸田文雄首相が指示した。秋ごろまでに、マイナンバーカードを使って行政手続きができる政府サイト「マイナポータル」で閲覧できる計29分野のすべてについて、情報の誤ったひもづけがないか確認する。

 点検対象となるのは主に、健康保険証や年金記録など29分野の情報をマイナンバーとひもづけた際、本人確認に必要な情報のうち一部しか照会しなかったケースだ。

 例えば、組合員からマイナンバーの提出がなければ、健保が住民基本台帳ネットワークシステムを運営する地方公共団体情報システム機構(J―LIS)にナンバーを照会することになる。

 その時、「氏名」「性別」「生年月日」「住所」の四つの情報をすべて確認しなければならないが、住所を除く三つのみを照会するなどして登録をしていた団体がある。

 こうしたケースは、総点検のなかでシステムへの再照会が必要となる。J―LISによると、負担金を支払っている自治体などを除き、各企業の健康保険組合や、中小企業の会社員らが加入する協会けんぽなどは、ネットワークへの情報照会に1件あたり原則10円の費用が発生するという。

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 少額とはいえ、退職者も含め…

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