アルパカが休園日の園内で「自由な外出」楽しむ 逃げ出さない理由は
北上田剛
【動画】動物園内を散歩するアルパカ=北上田剛撮影
アルパカが逃げ出した――。千葉県の市川市動植物園で飼育されている6頭のアルパカが休園日の園内を自由に走り回っている。
飼育員が近づくと、柵から顔を出してソワソワし始めた。柵が開くと、次々に園内に飛び出した。
最初はのんびりと歩いていたが、1頭が走り出すと群れで全力疾走になった。レッサーパンダ舎の横を走り抜け、ブランコなど遊具が置かれた広場へ。クローバーなどの葉を食べたり、走り回ったりして、週に1回の「自由な外出」を楽しんだ。
アルパカたちが新潟県からやってきた2年ほど前から続く取り組みだ。開園日もリードをつけて散歩をすることはあるが、休園日は6頭すべてを自由にしている。
飼育員の橘亜希さん(39)によると、アルパカは歯が伸び続けるため、地面の草を引きちぎって食べることで歯が摩耗し、健康に良いという。「新鮮な草を食べ、自由に走り回ることが『動物福祉』につながる。ストレスを発散させるために、これからも続けていきたい」
園内の二つの広場で1時間ほど草を食べて満足した6頭は、帰り道も走ってアルパカ舎に一直線。勢いよく中に入ると、水を飲んでリラックスしていた。橘さんによると、アルパカは集団で暮らす習性があり、バラバラに逃げ出すことはないという。(北上田剛)