「家で静かに子育てを」男性議員の一言に奮起 女性市議、5割の街で

有料記事統一地方選挙2023

鈴木裕 佐藤瑞季 斉藤佑介
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 名古屋市の東に位置し、人口約9万3千人の愛知県日進市。朝日新聞の調べでは、4月23日にあった市議選の結果、当選した女性の割合が初めて50%に達し、全国の市議会のなかで3番目に高くなった。専門家は、背景に「地域特性」があると指摘する。

 統一地方選後半戦の同市議選では、定数20のうち、自民1、公明2、共産1、無所属6の計10人の女性が当選した。「波が来ている。ここまで30年近くかかった」。7選した無所属の白井依理子さん(72)は語る。

 白井さんが初めて選挙に挑んだのは、旧日進町時代の1991年。名古屋、豊田両市のベッドタウンとして、新興住宅地が多くできたこの街に移り、80年代から子どものためのミニ図書館を自宅に開設したり、自主保育グループを作ったり。続けるうちに、行政の手助けや理解が必要だと感じた。

 だが、役所では相手にされず、地元のベテラン男性議員に頼みに行っても「家で静かに子育てしていればいい」と言われる始末。そこで挑んだのが選挙だった。

 「はじめは、主婦の私が選挙…

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