アルコール依存症の記者が見た山口達也さん 「回復に終わりはない」

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浅野真
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 アルコール依存症であることを公表した、アイドルグループ「TOKIO」の元メンバー山口達也さんをインタビューした。芸能界という表舞台を去ってから約5年。私も同じアルコール依存症の当事者である。

 私自身は2017年にアルコール依存症と診断された。その経験を昨年、朝日新聞や朝日新聞デジタルで連載した。大きな反響があり、読者の方などから「よく勇気をもって、自分のことを書きましたね」との声をずいぶんいただいた。

 山口さんは、2018年に未成年への強制わいせつ事件(不起訴処分)、20年に酒気帯び運転によるバイク事故(略式起訴)を起こした。過去の事件は、許されることではなく、酒を飲んでいたことは理由にならない。一方で、山口さんが自身の経験を語ることは、同じ問題に悩む人たちの助けになるのではないかとの思いで今回のインタビューを行った。

 私はアルコールが飲めなくなって、いや、「飲まなくなって」思うことがある。それは、日本社会の「酒への寛容さ」だ。「酒の席のことだから」「無礼講だから」。そんな言葉をよく聞くことがある。

 アルコールには、脳の中枢神…

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