トランスジェンダー「性別移行後の人生により満足」が78% 米調査

藤原学思
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 米紙ワシントン・ポスト非営利団体カイザー・ファミリー財団は23日、出生時の性と自認する性が異なるトランスジェンダーの米市民について調査した結果を公表した。78%が自認する性で生きるようになってからの人生に「より満足している」と答えたという。

 調査は昨年11~12月、米国の成人を対象としてインターネットと電話で英語とスペイン語を用いて実施。トランスジェンダーだと自認する市民515人、そうではない市民823人から回答を得た。

 その結果、トランスジェンダー市民の4分の1が身体的な攻撃を受け、5分の1は性自認を理由に解雇されたり、昇進を逃したりしていた。うつ病などの深刻な精神疾患は米市民全体の割合(32%)よりも2倍以上となる78%が経験したことがあるという。

 出生時の性と異なると気づく時期は、32%が10歳以下、34%が11~17歳と答えた。「幸せな子ども時代だった」と答えた割合は53%で米市民全体(81%)を大幅に下回った。59%は成長期に相談できる大人がおらず、学校が最大のストレス現場の一つだったという。

 一方、調査では、自分の性自認に合った身だしなみにしたり、身分証明書の性を変えたり、外科手術を受けたりするといった「性別移行」のプロセスを経ることが人生をより満足させる傾向があることも判明。以前よりも「はるかに」満足しているは45%、「ある程度」も33%に上った。

 カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)のウィリアムズ研究所によると、米国におけるトランスジェンダー市民の割合は、成人の0・5%(約130万人)で、13~17歳では1・4%(約30万人)になるという。日本ではLGBT総合研究所が2019年に調査し、「1・8%がトランスジェンダー」との結果を公表している。藤原学思

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