史上最年少で六冠 藤井聡太竜王が語っていた「流動性知能のピーク」

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北野新太

 将棋の藤井聡太新棋王(20)=竜王・王位・叡王・王将・棋聖=が羽生善治九段(52)に続く史上2人目、20歳8カ月の史上最年少で六冠を達成した。19日、栃木県日光市で指された第48期棋王戦五番勝負(共同通信社主催)の第4局で渡辺明棋王(38)=名人と合わせ二冠=に勝ち、シリーズ3勝1敗でタイトルを奪取した。

 棋界のタイトルは全八冠で、残るは名人と王座のみとなった。4月5日開幕の第81期名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催)で渡辺名人に挑戦することが決まっている。王座戦はシードのため、挑戦者決定トーナメントにベスト16から登場する。4連勝して挑戦権を得れば、秋から永瀬拓矢王座(30)との五番勝負を戦うことになる。

 王座戦への過程には叡王、棋聖、王位の防衛戦も控えており、八冠に達するには三つのタイトルを守りながら二つのタイトルを奪わなくてはならない。

 六冠の節目には、前局の教訓を生かした勝利で到達した。第3局では最終盤で相手玉に生じた詰みを逃して敗れる異例の結末を迎えたが、本局で披露したのはいつも以上に安定感のある指し回しだった。栄光や勝利におごらず、失敗や敗北から学ぶ姿勢を貫くからこそ成長を続けている。

 13度のタイトル戦で不敗のまま13期目(歴代7位タイ)を獲得。羽生九段は六冠を達成するまでに失冠も2度経験しており、藤井新棋王は棋史において例のない強さで疾走を続けていることになる。

棋史に例のない強さで疾走する藤井新棋王。中学生棋士だったころ、北野新太記者が投げかけた問いに、「流動性知能のピーク」という言葉で語ってくれたことがありました。

 弱点は存在しない。デビュー…

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この記事を書いた人
北野新太
文化部|囲碁将棋担当

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