第19回アジア初、同性婚が法制化された台湾 多様な社会へ「いいね」も力に

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連載「それでも、あなたを」台湾・日本編 取材を終えて

【台湾・日本編①】

互いにひかれ合う、台湾人女性のアンバーと日本人女性のトモ。同性婚が認められる台湾で同居を始めた二人を待ち受けていたのは。

 日本人女性のトモさん(29)と恋人の台湾人女性のアンバーさん(30)を知ったのは、2022年8月でした。

 台湾での同性婚の法制化に大きな役割を果たしたNGO「台湾伴侶権益推動(推進)聯盟」が開いた記者会見で、自らの境遇を語った2人の凜(りん)とした姿に魅せられました。

 それは、性の多様性への社会の理解が進む台湾ではありますが、家族や友人の前で自身が同性愛者だと話すことと、メディアの前で語ることでは、越えなければならない心理的なハードルが異なると考えていたためです。

 2人が会見で訴えたのは、同性婚が認められていながら、同性カップルの国際結婚には制限があるという台湾の制度の改正でした。台湾に住む2人が働きかける先として、台湾の行政当局を選んだのは当然です。

 ただ、私が会見を取材しながら感じていたのは、誰もが生きやすい多様な社会の実現という点で、台湾と比べて「周回遅れ」になっている日本についての危機感でした。

 日本では、同性婚が法制化されていない。一方の台湾では、法律で性的少数者に異性愛者と同じ婚姻の権利が認められているだけでなく、同性カップルの中でさらに少数の国際カップルの権利獲得をも目指す動きがある。

日本と台湾 似た経緯

 この周回遅れを取り戻すため…

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連載 それでも、あなたを 愛は生きる力に 2022-23(全27回)

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