第3回のだめ読み音楽の道へ 反田恭平さん語る「自由に弾く」がダメな理由

有料記事私の「のだめカンタービレ」

聞き手・野城千穂
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 2000年代にクラシック音楽ブームを巻き起こした「のだめカンタービレ」。現在も人気は根強く、22年には関連のコンサートや展覧会が相次いだ。ピアニストの反田恭平さん(28)もファンの一人で、最近は、さながら「千秋先輩」のように指揮者としても活動する。のだめは、反田さんが音楽の道を志すきっかけになったという。作品の魅力を聞いた。

     ◇

 ――小学生の頃にお母様が漫画を買ってきたのが、のだめとの最初の出会いだそうですね。

 母親が漫画を買ってくることは初めてだったので、半信半疑で読み始めたのが正直なところです。音楽を漫画にできるのかなと。

 でも、読み始めたら一気に、4巻くらいまで読んでいました。独創的な設定でしたが、僕は11~12歳の頃で、子どもなので純粋にのみ込んだんですね。当時すでにピアノを習っていましたが、たとえばオーボエやバイオリン、ティンパニの世界に魅了されました。大学のピアノ科で指揮も学んでいたらモテるんだな、と思いました。

 色々な作品や人間模様、人間の関係性を教えてくれて、音楽の世界をのぞかせてくれたのが、のだめでした。

 ――反田さんが音楽の道に進むきっかけになったのでしょうか。

 大いになりました。その後も、僕は意外と、のだめとそう遠くない関係にあります。

 僕が(漫画作者の)二ノ宮知子さんと最初にお会いしたのは恐らく、13年。ロシア留学の直前です。のだめのコンサートを開催されていて、僕がお邪魔して勝手にあいさつしに行ったという感じでしたが、母が買ってくれた漫画の1巻にサインをしてもらいました。

 それから大人になって、今度はお仕事上で、僕と千秋真一が共演している絵を描いてくださった。すごくうれしかったです。僕のコンサートに来てくださったこともありました。

 そしてたまたま招待されて行…

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