イラン選手ら国歌歌わず 抗議デモに連帯か 国営TVは放送一時中断

有料記事

ドーハ=飯島健太
[PR]

 サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会で1次リーグB組のイランが21日、イングランドとの初戦に臨んだ。試合前、イラン選手は国歌を歌わず、国内で続く反政府デモに連帯を示した形となった。

 先発したイラン選手11人は試合の開始前、一列に並んだが、国歌が流れる間は表情を硬くし、口を閉じていた。イラン国営テレビは試合を放送していたが、この時間帯は一時中断した。同テレビは試合を生中継ではなく、時間をわずかに遅らせて放送しているとみられる。

 イランの選手たちが国歌の斉唱を拒んだ背景には、国内で2カ月以上続く抗議デモの影響があるとされる。9月、22歳のマフサ・アミニさんが髪を覆う布「ヒジャブ(ヘジャブ)」の着用をめぐり逮捕された後、急死した。警察官の暴行を疑う声が上がり、政府に対する抗議行動が今なお広がっている。

 イラン当局は沈静化を図り、治安部隊による弾圧は強まっている。ノルウェー拠点の人権団体は19日、デモの参加者ら378人が殺害されたと発表した。

 こうした中、イランでは、国…

この記事は有料記事です。残り426文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません