マイナンバーのシステム「古い」 財務省が2.6倍のコスト増指摘
財務省は14日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の部会で、デジタル庁が所管するマイナンバー関連システムについて「システム構成が古く、毎年数百億円規模の経費が発生している」として、見直しを求めた。今後も機能の追加で費用増加が見込まれる中、システムの刷新を求めた。
財務省によると、マイナンバーカードの管理システムなど関連予算は2021年度は113億円だったが、今年度は2・6倍の290億円に増えた。特定ベンダー(供給元)の製品や開発に頼っているためで、保守運用や機能を追加するときのコストが高い。
財務省は「民間並みコストの実現に向けたシステム構成の見直しや業務改革をデジタル庁が主導して実施するべきではないか」と指摘。デジタル庁自身が他省庁のシステムで求めているようにクラウド(インターネット上で管理)化するだけでも、コスト削減が期待できるという。
関連するマイナンバーカードを巡っては今後、紙の保険証廃止(24年秋)、運転免許証との一体化(24年度末)、在留カードとの一体化(25年度)が予定されている。25年には最初のカードの発行から10年で財務省は「現行システムを抜本的に見直す好機」とする。カードをスマホに搭載する動きもあるが、遅れも指摘されている。