「瀬戸際大臣」山際大志郎氏 追認、追認そして辞任 強気だったわけ
阿部彰芳
前代未聞の事態だった。
10月24日午後5時半過ぎ、首相官邸4階の大会議室。政府の「経済財政諮問会議」が開始直前に突然、延期された。
会議で岸田文雄首相の隣に座り、議事進行をつかさどるはずだった山際大志郎経済再生相の辞任が決まったためだった。
午後7時前、山際氏は黒いスーツに濃紺のネクタイ姿で官邸に現れた。首相と面会して辞表を手渡し、官邸エントランスで記者団の前に立った。
「このタイミングを逃すわけにいかないと思って、今日辞任いたしました」
口調は淡々としていた。
だが、この直前に自民党幹部が聞いた言葉は違ったという。
「辞めろと言われた」。憤懣(ふんまん)やるかたない様子で言い切り、こう言い放った。
「いま自分が辞めたら、ほか…
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- 【視点】
「国民の声を正面から受け止め、説明責任を果たす」。 この臨時国会の初めの演説で、旧統一教会の問題をめぐって岸田首相はそう言い切りました。でも、首相は山際前経済再生相に向けられた国民の疑義の声を、正面から受け止めたと言えるでしょうか。
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