「外様」退場させた習近平氏、権力強固に 李克強氏とすれ違いの末

有料記事中国共産党大会2022

北京=冨名腰隆 金順姫 聞き手・金順姫 聞き手・西山明宏
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 22日に閉幕した中国共産党大会が選出した新たな党幹部の名簿から、最高指導部の顔ぶれが大きく変わることが明らかになった。3期目続投を確実にした習近平(シーチンピン)氏に対し、党序列2位の李克強(リーコーチアン)首相は一線から去る。腹心で周囲を固めてきた習氏は「外様」を退場させ、さらに権力集中を強めることになる。

 李氏は22日の閉幕式で、硬い表情が目立った16日の開幕式と比べ、態度も表情もリラックスした様子だった。習氏が閉幕を宣言したあと、互いに向き合う場面もあったが、握手や言葉を交わすことはなかった。

 習、李両氏は2007年に同じタイミングで党最高指導部入り。毛沢東鄧小平江沢民胡錦濤に続く「第5世代」の中核として、並び立つ存在だった。

 ただし、2人が持つ背景は大きく異なる。

エリート養成機関vs紅二代という「血統」

 胡氏と同じ党青年組織の共産…

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    福田直之
    (朝日新聞コンテンツ編成本部次長=経済)
    2022年10月22日21時59分 投稿
    【視点】

    毛沢東でさえ、周恩来という実務派を残し、完全には自らに権力を集中させませんでした。習近平総書記の決定を誰も軌道修正できなくなるリスクを、中国国民だけでなく、我々を含めた世界全体が認識して対応を考えてゆく必要がありそうです。

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    吉岡桂子
    (朝日新聞記者=中国など国際関係)
    2022年10月22日23時42分 投稿
    【視点】

    日本企業の間では、汪洋氏の首相待望論が強かった。経済運営への信任に加えて、広東省トップ時代にジェトロなどを通じて日本企業と積極的な交流があったことは大きいと感じる。そう、知っているからなのだ。すべての社員を知ることはできないぐらいの大きさの

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