「神真都Q」幹部の元俳優を逮捕 クリニック侵入容疑で警視庁

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 反ワクチン団体「神真都(やまと)Q会」のメンバー4人が医療機関に無断で侵入したとして逮捕された事件で、警視庁は20日、同会幹部でリーダー格とされる男(43)を建造物侵入の疑いで逮捕した、と発表した。認否は明らかにしていない。同庁は事件を主導する役割だったとみて調べている。

 発表によると、同会幹部の男は7日午前、東京都渋谷区内のクリニックに無断で立ち入った疑いがある。クリニックには幹部の男を含めメンバーの男女12人が押しかけ、ワクチン接種に抗議したとされる。うち4人がクリニック内に無断で立ち入ったとしてその場で現行犯逮捕されたが、その後の調べで、幹部の男も4人が逮捕される前に侵入していた疑いがあることが判明したという。

 警視庁公安部は2日後の9日、同会を運営する「一般社団法人神真都Q会」(東京都港区)を家宅捜索。幹部の男はこの一般社団法人の理事を務めており、公安部はクリニックへの侵入事件を実質的に指揮する立場にあったとみている。

 幹部の男は2000年代ごろにVシネマを中心に活動していた元俳優。公安関係者によると、神真都Q会ではSNSを使って積極的に会の活動について発信を重ねてきた。3月15日にはワクチン接種会場の東京ドーム(東京都文京区)で、他のメンバーとともに反ワクチン運動を展開。警察官を相手に怒鳴り声を上げる様子を撮影し、SNSで公開していた。

 神真都Q会は米国などで広がる陰謀論集団「Qアノン」が日本に派生した組織。同会はホームページで「コロナウイルス自体が存在しない」「ワクチンの中身は身体に悪影響を及ぼす病の種、感染源が入っている」などと主張し、ワクチン接種を「人口削減計画のプランのひとつ」としている。

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