SDN48から地下アイドル、そして作家に 大木亜希子さんの転機

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聞き手・高浜行人

 15歳から俳優として活動し、アイドルグループ「SDN48」から地下アイドルへ……。多彩な芸能活動を経てライターになった大木亜希子さん(32)は、10代の自身を「失敗の連続」と振り返ります。その経験をもとに、大木さんがいま若者に送るメッセージとは。

10歳で父が半身不随 「もう普通でいられないんだ」

 10歳の時、自宅で歯科を開業していた父が病気で倒れ、半身不随になりました。それまで、千葉市のベッドタウンで特に不自由なく暮らして、それなりに可愛い格好とかもさせてもらってたんですけど、男子から「(歯医者が)倒産したんだろ」とか言われるようになって。もう普通ではいられないんだと思いました。

 父が亡くなったのは中学3年のころ。これから私も家庭を支えなきゃいけない、という気持ちが強かったですね。どうしても思い通りにいかないことが世の中にはあって、どうやら私にはそれが早く降ってきてしまったな、と。悲しむよりも、この困難を乗り越えて将来何かで成功するんだ、と思い込むことで衝撃を和らげていたような気がします。

 地元の県立高校1年の時に大手芸能事務所にスカウトされ、これで母を楽にできる、と思いました。母は明るさと力強さを持った人で、父が亡くなっても工夫してさみしい思いをしないようにしてくれていました。それでも、眉間(みけん)にしわが寄ったり、夜に深刻な顔でテレビを眺めてたりして、大変だな、と感じていたんです。

友達から無視され「針のむしろ状態」

 芸能界と高校生活の両立は…

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この記事を書いた人
高浜行人
東京社会部|教育班キャップ
専門・関心分野
学校教育、受験、教育行政
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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2022年3月27日15時9分 投稿
    【解説】

    将来に役立つかどうかはともかく、心から没頭できるものを馬鹿にされても続けてほしい。 同感です。 人生前半のほろ苦さは、人生後半のうまみにつながる伏線なんだと思います。 ほろ苦さがうまみに変わる瞬間は、人生の答え合わせというか、人生とい

    …続きを読む