反田恭平さんのJNO、奈良市がふるさと納税で支援
ピアニストの反田恭平さんが社長を務める「ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)」(奈良市)が4日、奈良市の「魅力発信パートナー」となった。市はふるさと納税の寄付金の使い道としてJNOへの活動支援を加えた。
同市では文化やスポーツを通じて魅力を発信し、知名度アップや地域活性化につなげようと、2014年にパートナーの制度を始め、プロバスケットボールチームのバンビシャス奈良とサッカーJFLの奈良クラブ、なら国際映画祭の3団体を認定している。
市内での普及活動や市外でのPRに協力してもらい、市からは、ふるさと納税の使途に各団体への支援メニューを加え、寄付金の半分(返礼品を辞退した場合は8割)を補助金として交付する。
反田さんは昨年5月にJNOを立ち上げた。共同出資した「森記念製造技術研究財団」が大和郡山市創業のDMG森精機傘下だった縁で、奈良に拠点を設けた。所属する音楽家による演奏会を東京や奈良で開催するほか、将来的には県内での音楽学校の設立も目指している。
この日の宣言式では、JNOの川島昭彦会長が宣言文にサインをし、反田さん、バイオリン奏者の岡本誠司さん、チェロ奏者の水野優也さんがブラームスの「ピアノ三重奏曲第1番」より第1楽章を演奏した。
反田さんは「我々の企画や演奏活動を通じ、新たな裾野を広げられたらいいなと思いますので、ご声援よろしくお願いします」とあいさつした。演奏会の開催だけでなく、学校や子どもたちに向けた活動にも積極的に参加したいと話す。今後、ふるさと納税の返礼品への協力も検討しているという。
また、ロシアのウクライナへ侵攻について報道陣に問われ、「初めての留学先がロシアでしたし、やるせない気分もあるし、ちゃんと今を受け止めなければいけないというところもあります。一番思っていることは、やっぱり友達たちへの心配ですね」と話した。(上田真美)