若いやせた女性で糖尿病予備群7倍 原因は肥満と同じ?
糖尿病は肥満がリスクになる病気の代表例だ。だが、順天堂大のグループが、やせた若い健康な女性を調べると、標準的な体重の女性より約7倍も「糖尿病予備群」とされる「耐糖能(たいとうのう)異常」の頻度が高かった。肥満と同じ仕組みで異常をきたした可能性もあるという。どういうことなのか。
糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気だ。
血糖値が高いと、血管が傷つき、人工透析が必要な腎不全、失明、足の切断という重い合併症の原因になる。
また、高血圧や脂質異常症のある人では、脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞も起きやすくなる。
糖尿病になる前段として、食後しばらく高血糖が続く「耐糖能異常」になる人もいる。この異常は「前糖尿病」「糖尿病予備群」とも呼ばれる。
耐糖能異常があっても症状が現れたり、直ちに糖尿病になったりするわけではないが、米国糖尿病学会の専門家パネルは、最終的には70%ほどが糖尿病になると見積もっている。
順天堂大スポートロジーセンターの田村好史・先任准教授らは、18~29歳の健康なやせ形の女性98人と、同年代の標準体重の女性56人で、耐糖能異常があるか調べた。
すると耐糖能異常が、やせ形の女性で13・3%、標準体重の女性で1・8%みられた。
「13・3%」という数字に田村さんは驚いたという。
やせ形は体格指数BMIが1…