試練の五輪、戸惑い抱えてプレーする残酷 元選手の懸念

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聞き手・構成 伊木緑

 今夏に延期になった東京五輪の開幕まで半年を切った。コロナ禍で開催に懐疑論が出るなか、改めて大会の意義を問い直したい。

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元バスケ日本代表・大崎佑圭さん

 昨年8月、引退を発表しました。2018年12月に長女を出産した後、しばらくは進退を決めずにいましたが、昨年1月に「東京オリンピックまでの半年一本勝負」で代表に復帰。国際大会に出場し、手応えを感じていたところで五輪の延期が決まりました。その時点で現役続行は難しいと感じていて、引退への気持ちを徐々に固めました。

 決め手のひとつは、開催されたとしても、完全な五輪にはなりえないだろうということでした。

 無観客かもしれないし、来日できない国もあるかもしれない。果たしてそれは五輪と呼べるのか。家族を犠牲にし、厳しい練習に耐えてまで出たい大会かといえば、そこまでの魅力は感じなくなっていました。あれほどあこがれた五輪に対してこんな考えを持つのは本当に失礼で、とても悔しいです。

 12年ロンドン五輪の世界最…

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この記事を書いた人
伊木緑
東京社会部
専門・関心分野
ジェンダー、メディア、スポーツ