緊急着陸のJAL機、胴体や水平尾翼も損傷 安全委調査
那覇発羽田行きの日本航空(JAL)機が4日に那覇空港に緊急着陸したトラブルで、JALは7日、破損した左エンジンのファンブレードについて、繰り返しの使用で細かい傷が大きくなる「疲労破壊」が起きた可能性もあると発表した。検査間隔を短くするなどの対策をとるという。
JALによると、ファンブレードは前回の検査から約3700回、飛行で使われていた。同型エンジンのブレードは6500回おきに検査されていたが、それを下回る回数でトラブルが起きたことから、今後は検査の間隔を半分の3250回にする。破損の原因は調査中だが、疲労破壊の可能性もあるとみている。
トラブルではカウルと呼ばれるエンジンのカバーも一部が欠損していた。JALはファンブレードの破損に伴う振動で、カウルの留め具が外れた可能性があるとしている。
また、国の運輸安全委員会が5、6日に行った現地調査では左エンジン部分以外に、胴体や水平尾翼の左側にも損傷が確認された。鳥がぶつかるバードストライクの痕跡はなかったという。
航空事故調査官によると、事故直後に判明した左エンジンのファンブレードと呼ばれる羽根の傷のほか、左後方の胴体に約30センチのひっかいたような傷、水平尾翼にも30センチほどの何かがぶつかったような跡があったという。エンジン内部もへこみや傷があったという。今後は取り外したファンブレードを調べるなどして原因究明を進め、1年以内をめどに調査報告書をまとめる方針。
一方、国土交通省はファンブレードの破損からエンジンが損傷した可能性があるとして、同系列のエンジンを載せた機体を運航する航空会社にファンブレードの点検を指示した結果、問題ないことが確認されたと6日に発表した。JAL9機、全日空(ANA)24機で点検が行われたという。(岡田将平)
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