夜の山で5時間、救助隊率いた74歳 地上からの救出劇

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中川壮
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 遭難した登山者の救助に貢献したとして、長崎県警大村署は11日、同県大村市木場2丁目の渡辺利博さん(74)に感謝状を贈った。夜の山中で署員5人を先導し、標高差約400メートルを5時間かけて往復。全員を無事に帰還させた。

 5月24日午後5時43分、大村市と佐賀県鹿島市の境にある多良岳山系・経ケ岳(きょうがたけ、標高1076メートル)をめざす途中で迷った長崎県内の男性(38)から、助けを求める電話が署にあった。署は渡辺さんに協力を要請。日没後の午後7時48分、渡辺さんと署員5人はヘッドライトをつけ、平谷黒木トンネル(大村市黒木町)近くの登山口を出発した。

 渡辺さんを先頭に、暗闇の中、石がゴロゴロとしている登山道を、道順を示すテープを一つずつ確認しながら約2キロ前進。午後10時5分、待っていた登山者を保護した。同じ経路を戻り、25日午前0時37分、登山口に全員、無事に帰還。日没で救助ヘリが出動できず、地上の救助隊だけが頼りの救出劇だった。

 渡辺さんは県山岳・スポーツ…

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