第6回すずさん、雨に濡れていた理由 片隅に「記録」残るから
聞き手・上田真由美
《2019年公開の長編アニメ映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は2016年11月公開以来のロングラン上映が続いた前作「この世界の片隅に」に約40分の新映像を加えた作品だ。片渕須直監督は膨大な資料を使った綿密な描写で知られる。映画の冒頭、主人公「すず」が戦前の広島市の中島本町の繁華街を歩く場面。前作で古い木製だった「大津屋商店」の看板は、新作で昭和モダン風に変わった》
戦争を後世に語り継ぐ手引きとなる資料や蔵書や遺稿。それらが埋もれ、消えつつある。映画「この世界の片隅に」の片渕須直監督は危機感を抱いています。
片渕須直監督インタビュー
たくさんの写真を集めて当時の街並みを描いたのですが、その店はピントのあった写真がなく、すごく苦労しました。ところが前作公開後に広島平和記念資料館が、同じ写真で少しはっきり写ったものがあったと教えてくれました。
見ると、昭和モダンというか…
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