朝日新聞デジタル×講談社×ネットギャリー(NetGalley)の3社共同の作家応援企画に多数のご応募ありがとうございました。
【多くのご応募ありがとうございました】有料会員限定!作家応援企画第2弾 注目の新刊本を発売前にレビューしよう
当選された方に対象の注目新刊本のゲラを発売前に読んでレビューをお寄せいただきました。今回はその一部をご紹介します。

国歌を作った男

著者:宮内 悠介

出版社:講談社

発売日:2024年2月15日

作品ページは、こちら

 

【みやうち ゆうすけ】1979年東京都生まれ、1992年までニューヨーク在住。早稲田大学第一文学部卒。在学中はワセダミステリクラブに所属。2012年の単行本デビュー作『盤上の夜』は直木賞候補となり、日本SF大賞を受賞。2013年、『ヨハネスブルグの天使たち』も直木賞候補となり、日本SF大賞特別賞を受賞した。同年に「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」を受賞。2016年、『アメリカ最後の実験』が山本周五郎賞候補になる。2017年、『彼女がエスパーだったころ』で吉川英治文学新人賞、前年芥川賞候補となった『カブールの園』で三島由紀夫賞を受賞。2018年、『あとは野となれ大和撫子』で第49回星雲賞(日本長編部門)受賞。2020年『遠い他国でひょんと死ぬるや』で芸術選奨新人賞受賞。

 
 

 

当選者のレビュー

*「おすすめ度」は、ネットギャリー上でレビュアーが選択したものです。

■21歳/女性/学生
おすすめ度★★★★★
 タイトルに惹かれて、読むことを決めました。中身は短編集で、家族で店を営む話から料理にまつわる犯行話に至るまで、本当に多岐にわたるジャンルで、作者の世界観を楽しく味わうことができました。私がお気に入りだったのは「ジャンク」。徐々に前向きに生きる主人公と、「ハズレのジャンク品でもいい」という言葉に元気をもらいました。

■57歳/男性/会社員(コンサルティング・会計・法律関連)
おすすめ度★★★★★
 ITに纏わるリアル感が秀逸で、人間のエゴと絡み合う「パニック―ー九六五年のSNS」はとくにお勧め。緩いサスペンスがお好みであれば「料理魔事件」が胸に刺さる。文学作品を味わいたいのであれば『夢・を・殺す』を一気読み。ちょっと昔を振り返りながら予測できない未来を楽しめるショート・ショートは〝令和版・星新一さん″です!

■66歳/男性/自営・自由業
おすすめ度★★★★★
 ユニークというか、経験したことのないメニューの短編集。最初に登場する「ジャンク」は、なるほど筋金入りデジタルネイティブの作者の原点を思わせる一品。表題作「国歌を作った男」は、ウクライナ(!)にルーツを持つ主人公のジョンが、大成功するRPGを生み出し、その背景音楽は国歌と呼ばれるまでになるサクセスストーリー。どの作品も宮内さんの人間に対する深い洞察があふれ、登場人物それぞれが、簡単には理解しきれない大きな世界を持っている。こんな短編集をまとめ上げる作家の頭って本当に不思議です。

■59歳/女性/主婦
おすすめ度★★★★★
 文体が明晰でとても読みやすく、最初の「ジャンク」という作品を読み始めた時点で、「あぁ、これは楽しみながら一つ一つ味わいながら、じっくり先を急がず読んでいこう」と思った。「国歌を作った男」はドキュメンタリーみたいで、とにかく読み応えがあった。「あとがき」があり、一作ずつ説明がある。なるほどと思えるものや、かえって意味がわからなくなるものもあった。結局は、自分が読んで受けた印象が一番。作者の他の作品も是非読んでみたいと思った。

■58歳/女性/自営・自由業
おすすめ度★★★★☆
 全13篇の短編集。ジャンルも様々で、どれもテンポ良く読め面白い。 「パニック」は、1965年にSNSが存在したパラレルワールドの日本が舞台。実際にベトナム戦争を取材した開高健を題材に、一人歩きするデマや集団心理など、「つながる」社会の怖さを描いて読み応えがある。 表題作の「国歌を作った男」は、孤独な天才プログラマーであり、国歌と称されるほど親しまれたゲーム音楽を作曲した男の、短い生涯が描かれる。彼が移民の子でなければおそらく起きなかったのではないかと思われる悲劇に人種問題の根深さ、虚しさを感じる。 孫と祖父の絆を描いた「十九路の地図」を読んだ後は、とても暖かい気持ちになる。すべて読み終えると、作者の人生もうっすら浮かび上がり、次の作品も是非読んでみたいと思わせられる。

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