(書評)『口の立つやつが勝つってことでいいのか』 頭木弘樹〈著〉

有料記事書評

 ■弱さとは世界に敏感になること

 何かしらざわざわ騒ぐ春のこころに、差し出されたようなエッセー集だ。タイトルに思い当たることがあれば、なおさらである。

 ゆったり文字の組まれた本の顔つきはやわらかく、全編を通して伝えること、生きていくことのままならなさが切実につづられている。ただし四隅のねじはゆる…

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