(書評)『山ぎは少し明かりて』 辻堂ゆめ〈著〉

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 ■ありふれた村という唯一の故郷

 故郷という言葉の重みを深く胸に刻みつけながら、最後のページを閉じた。

 令和から昭和へ。ゆるやかにさかのぼる各時代を生きる本作の主人公3人の故郷観は、見事に異なる。令和を生きる大学生・都は、そもそも故郷なるものをよく理解できない。その母にして、定年直前のキャリアウ…

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